Ⅲ-4-2-⑥|悪性腫瘍の治療における安心・安全な外来化学療法の評価の新設

令和4年度診療報酬改定

第1 基本的な考え方

悪性腫瘍の患者に対する外来における安心・安全な化学療法の実施を推進する観点から、必要な診療体制を整備した上で外来化学療法を実施した場合について、新たな評価を行う。

第2 具体的な内容

1(新設)外来腫瘍化学療法診療料

1.必要な診療体制を整備した上で外来化学療法を実施する場合の評価を新設する。

(新)外来腫瘍化学療法診療料
  • 1 外来腫瘍化学療法診療料1
    • イ 抗悪性腫瘍剤を投与した場合 700点
    • ロ 抗悪性腫瘍剤の投与その他必要な治療管理を行った場合 400点
  • 2 外来腫瘍化学療法診療料2
    • イ 抗悪性腫瘍剤を投与した場合 570点
    • ロ 抗悪性腫瘍剤の投与その他必要な治療管理を行った場合 270点
[対象患者]
  • 悪性腫瘍を主病とする患者であって、入院中の患者以外の患者
[算定要件]
  • (1)別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、悪性腫瘍を主病とする患者であって入院中の患者以外のものに対して、外来化学療法(別に厚生労働大臣が定めるものに限る。)の実施その他の必要な治療管理を行った場合に、当該基準に係る区分に従い算定する。この場合において、区分番号A000に掲げる初診料(注6、7及び8に規定する加算を除く。)、区分番号A001に掲げる再診料(注4、5及び6に規定する加算を除く。)、区分番号A002に掲げる外来診療料(注7、8及び9に規定する加算を除く。)、区分番号B001の23に掲げるがん患者指導管理料のハ又は区分番号C101に掲げる在宅自己注射指導管理料は、別に算定できない。
  • (2)1のイ及び2のイについては、当該患者に対して、抗悪性腫瘍剤を投与した場合に、月3回に限り算定する。
  • (3)1のロ及び2のロについては、1のイ又は2のイを算定する日以外の日において、当該患者に対して、抗悪性腫瘍剤の投与その他の必要な治療管理を行った場合に、週1回に限り算定する。
  • (4)退院した患者に対して退院の日から起算して7日以内に行った治療管理の費用は、第1章第2部第1節に掲げる入院基本料に含まれるものとする。
  • (5)当該患者が15歳未満の小児である場合には、小児加算として、所定点数に200点を加算する。
  • (6)別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、1のイを算定した患者に対して、当該保険医療機関の医師又は当該医師の指示に基づき薬剤師が、副作用の発現状況、治療計画等を文書により提供した上で、当該患者の状態を踏まえて必要な指導を行った場合は、連携充実加算として、月1回に限り150点を所定点数に加算する。
[施設基準]
  • (1)外来化学療法を実施する体制及び外来化学療法に伴う副作用等が生じた場合に速やかに必要な検査、投薬等を行う体制がそれぞれの診療料に応じて整備されていること。
  • (2)外来化学療法を行うにつき必要な機器及び十分な専用施設を有していること。
  • (3)外来腫瘍化学療法診療料に規定する別に厚生労働大臣が定める外来化学療法は、入院中の患者以外の患者に対して、区分番号G001に掲げる静脈内注射、G002に掲げる動脈注射、G003に掲げる抗悪性腫瘍剤局所持続注入、G003-3に掲げる肝動脈塞栓を伴う抗悪性腫瘍剤肝動脈内注入、G004に掲げる点滴注射、G005に掲げる中心静脈注射又はG006に掲げる植込型カテーテルによる中心静脈注射のいずれかにより抗悪性腫瘍剤の投与を行う化学療法とする。
  • (4)連携充実加算の算定については、以下のいずれにも該当するものであること。
    • イ 化学療法を実施している患者の栄養管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。
    • ロ 他の保険医療機関及び保険薬局との連携体制が確保されていること。

2(廃止)

2.1に伴い、抗悪性腫瘍剤を注射により投与した場合に係る第6部注射の通則第6号に規定する外来化学療法加算のイの(1)及びロの(1)並びに通則第7号に規定する連携充実加算は廃止する。

参考
  • イ 外来化学療法加算1
    • (1) 抗悪性腫瘍剤を注射した場合
      • ① 15歳未満 820点
      • ② 15歳以上 600点
    • (2) 抗悪性腫瘍剤以外の薬剤を注射した場合
      • ① 15歳未満 670点
      • ② 15歳以上 450点
  • ロ 外来化学療法加算2
    • (1) 抗悪性腫瘍剤を注射した場合
      • ① 15歳未満 740点
      • ② 15歳以上 470点
    • (2) 抗悪性腫瘍剤以外の薬剤を注射した場合
      • ① 15歳未満 640点
      • ② 15歳以上 370点
  • 連携充実加算 月1回に限り150点

補足

(参考)外来化学療法加算の施設基準(2020年度)

りゅう
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[施設基準]
  • 第37 外来化学療法加算
  • 1 外来化学療法加算1に関する施設基準
    • (1) 外来化学療法を実施するための専用のベッド(点滴注射による化学療法を実施するに適したリクライニングシート等を含む。)を有する治療室を保有していること。なお、外来化学療法を実施している間は、当該治療室を外来化学療法その他の点滴注射(輸血を含む。)以外の目的で使用することは認められないものであること。
    • (2) 化学療法の経験を5年以上有する専任の常勤医師が勤務していること。
    • (3) 化学療法の経験を5年以上有する専任の看護師が化学療法を実施している時間帯において常時当該治療室に勤務していること。
    • (4) 化学療法に係る調剤の経験を5年以上有する専任の常勤薬剤師が勤務していること。
    • (5) 急変時等の緊急時に当該患者が入院できる体制が確保されていること又は他の保険医療機関との連携により緊急時に当該患者が入院できる体制が整備されていること。
    • (6) 実施される化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し、承認する委員会を開催していること。当該委員会は、化学療法に携わる各診療科の医師の代表者(代表者数は、複数診療科の場合は、それぞれの診療科で1名以上(1診療科の場合は、2名以上)の代表者であること。)、業務に携わる看護師、薬剤師及び必要に応じてその他の職種から構成されるもので、少なくとも年1回開催されるものとする。
  • 2 外来化学療法加算2に関する施設基準
    • (1) 外来化学療法を実施するための専用のベッド(点滴注射による化学療法を実施するに適したリクライニングシート等を含む。)を有する治療室を保有していること。なお、外来化学療法を実施している間は、当該治療室を外来化学療法その他の点滴注射(輸血を含む。)以外の目的で使用することは認められないものであること。
    • (2) 化学療法の経験を有する専任の看護師が化学療法を実施している時間帯において常時当該治療室に勤務していること。
    • (3) 当該化学療法につき専任の常勤薬剤師が勤務していること。
    • (4) 急変時等の緊急時に当該患者が入院できる体制が確保されていること又は他の保険医療機関との連携により緊急時に当該患者が入院できる体制が整備されていること。
    • (5) 外来化学療法加算の届出に当たっては、関節リウマチ患者及びクローン病患者に対するインフリキシマブ製剤の投与についても、悪性腫瘍の患者に対する抗悪性腫瘍剤の投与と同等の体制を確保することが原則であるが、常勤薬剤師の確保が直ちに困難な場合であって、既に関節リウマチ患者及びクローン病患者の診療を行っている診療所であって、改正前の外来化学療法加算の算定を行っている診療所については、外来化学療法加算2の届出を行うことができる。
  • 3 連携充実加算に関する施設基準
    • (1) 外来化学療法加算1に係る届出を行っていること。
    • (2) 1の(6)に規定するレジメンに係る委員会に管理栄養士が参加していること。
    • (3) 地域の保険医療機関及び保険薬局との連携体制として、次に掲げる体制が整備されていること。
      • ア 当該保険医療機関で実施される化学療法のレジメンを当該保険医療機関のホームページ等で閲覧できるようにしておくこと。
      • イ 当該保険医療機関において外来化学療法に関わる職員及び地域の保険薬局に勤務する薬剤師等を対象とした研修会等を年1回以上実施すること。
      • ウ 他の保険医療機関及び保険薬局からのレジメンに関する照会や患者の状況に関する相談及び情報提供等に応じる体制を整備すること。また、当該体制について、ホームページや研修会等で周知すること。
    • (4) 外来化学療法を実施している保険医療機関に5年以上勤務し、栄養管理(悪性腫瘍患者に対するものを含む。)に係る3年以上の経験を有する専任の常勤管理栄養士が勤務していること。
    • (5) 令和2年3月31日時点で外来化学療法加算1の届出を行っている保険医療機関については、令和2年9月30日までの間に限り、上記(3)のイの基準を満たしているものとする。
  • 4 届出に関する事項
    • (1) 外来化学療法加算1及び2の施設基準に係る届出は、別添2の様式39を用いること。
    • (2) 連携充実加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式39の2を用いること。
    • (3) 当該治療室の平面図を添付すること。

(新設)バイオ後続品導入初期加算

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参考資料

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中医協資料

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